こんにちは! 家事シェア研究家の三木です。
今日まで数回に渡り家事シェアについて書いてきました。
新年度最初の今回は、少し肩の力を抜いてコラムをお届けします。
4月からの新生活にあたり、新しい環境に踏み出して行く人、ご自身、またはパートナーが育休から復帰する人、(時期は関係ありませんが)新しい家族を迎える人などいるかと思います。
そんな、みなさんに是が非でも贈りたいメッセージです。
それは「何よりも、健康を第一に」です。
親父の小言みたいですね(笑)でも、とくに子育て中の「親御さん」は今一度自分の心身の健康について意識を向けて欲しいと思うのです。
ぼくたち親が新しい生活がはじまるように、子どもたちも次の環境へと進んでいきます。もしかしたら親よりも進学、進級という形ではっきりと新生活がはじまるかもしれません。
子どもは可愛いし、大切だし、新生活にちゃんと馴染めるように応援したい。
でも、そうした慈しむ気持ちって、親自身の心身の健康によって支えられている部分があると思うのです。
なぜ、そこまで「親の健康」にこだわるかと言うと。
じつは娘が生まれたばかりの頃、夜泣きが収まらないわが子に対して怒りを抑えきれなくなったことがあったからです。
▶ 産まれたての赤ん坊に、怒りの感情を覚えるなんて
娘が産まれた7年前。
当時ぼくは、娘が夜泣きで起きると妻と一緒になって起きていました。
妻が授乳をしている中、別にできることもないのでただ背中をさすったり、ぼーっと眺めていたり。
うちはミルクと母乳の混合だったのですが、授乳が終われば力仕事くらいは代わろうと抱っこをしたり、ミルクターンにももちろん起きてミルクをあげます。
その結果、夫婦ともに睡眠不足が続き、小さなことでイラッとするし、会話も減ったり、よかれと思ってやっていることが空回りしたり。
そしてある夜。
いつまでたっても、どれだけ抱っこしてあやしても泣き止まない娘に「もう知らない。そこでずっと泣いてろ」とベッドに泣いたまま置き去りに、自分もその横で眠ってしまいました。
翌朝、ぼくは自分の体力が限界に達していることを悟り、このままじゃ長い子育て生活を乗り切ることができないと愕然としたのです。
▶ 忘れないで。「親の健康」が子育てを支えてること。
子育てをしていると、知らず識らず「子どもファースト」になりがちです。
ぼくもそうでした。このニュースレターを読んでくれている方の中にも、きっと同じような感覚の人もいると思うんです。
自分のことは全部後回しで子どものためにがんばっているママや、自分は体力があるからと仕事も家庭も全力なパパなど。
でもね、絶対にダメです。
ぼくは、いつまでも眠らない赤ちゃんの娘に感じたヒヤリと冷たい感情を、翌朝打ちひしがれた後悔の気持ちを一生忘れません。
夜泣きを続けた娘が悪いわけじゃない。それを支えきる気力がなかったことが悪いわけじゃない。反省し、改善すべきは一切の判断力を失くしてしまうほどに体調管理ができていなかったことでした。
健康であればすべてが上手くいくとは思いません。
でも、寝不足や体調不良は明らかに判断力を鈍らせ、良い決断を遠ざけ、悪しき判断を2歩も3歩も手前でさせてしまいます。
親の健全な判断力は、子どもにとって何よりのセーフティネットです。
あの日以来、ぼくたち夫婦は自分たちが健康に子育てできることを何よりも大事に考えるようになりました。
結局は、それこそが自分たちの望む「子どもファースト」に繋がると思うから。
▶ パートナーの心と身体に意識を向ける
最近、パートナーはちゃんと眠れているでしょうか?
疲れ気味じゃないでしょうか?
ごはんは食べてますか? ファストフードやカップ麺ばかりが続いていませんか?
色んな親御さんたちと話をしていると、夫の身体を気遣う妻はわりと多いですが、妻の細かな体調の変化に注意を向けられる夫は珍しいようです。
共同生活をしていて、まして子どもがいるなら、パパはケアされる存在ではなくて、ケアをする存在。
心身の健康って、意外と自分では甘く見積もってしまいがちです。
そんなときに「すこし休みなよ」と、休ませてくれるパートナーの存在は本当に大きいのです。
ぼくは妻から「休んだら?」と声をかけられるだけでも、気持ちが休まります。妻が疲れているとき、ぼくが声をかけることで同じように気持が休まってくれていたらいいなと思います。
▶ 育児は、親が元気だから楽しめる
育児は「子どもを守り、育てること」
家事は「大切な人の生活を助け、支えること」
そう思うと家事とは最も身近に、大切な人を助ける手段でもあります。
家事シェアすることで、お互いを助け合い、余裕が生まれればその分だけ育児が楽しくなります。
ぼくは、育児は本当に楽しいことだと思っています。
それは子どもが可愛い、愛しいというだけの話ではなくて。
ぼくは娘が産まれたことで、人生がガラリと変わりました。
仕事の幅も広がり、働き方も徹底的に変えました。娘の幼稚園を探して、それまで考えたこともなかった移住もしました。
教育に関心を持ち、小学校に2ヶ月インターンをしたり、不登校について調べたくさんのお話を聞かせてもらったり。
育児を起点に、思いもかけない方向に人生が広がっていくのを感じています。
こうして育児を楽しいと思えるのは、ぼくたち夫婦がとにかく元気に子育てをして来られたからだと思っています。
「元気があれば、何でもできる!」
アントニオ猪木じゃありませんが、心と身体が健康であることは子育てを楽しむ上で何よりの武器となります。
▶ 「ゆっくり寝よか」
「大丈夫? 心配しないでも、大丈夫やで。ゆっくり寝よか」
これは6歳の娘の言葉です。
ぼくが忙しくなって、余裕がなくなって、日常生活に少しイライラして。
寝かしつけ中にウトウトしてしまったときに、そっとかけてくれた言葉。
今日から新年度がはじまります。
新しい門出にワクワクする人もいれば、不安に思う人もいると思います。
その気持は、大人も子どもも同じ。
ちょっと疲れたなと思ったら、
大丈夫。心配しないでも。
ゆっくり寝よか。
今日も読みに来てくださりありがとうございました。 みなさんの家庭が「ただいま!」と帰りたくなる家庭であり続けますように!
三木智有
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